4-2-1. 医療法改正

 医療法が改正になりました。(今回2006年6月閉会になった、第164回国会で衆参可決)医療法人設立に関しての変更点を簡単に解説します。

 今後医療法人は定款中に、医療法人の財産が増加しても、最初の出資額以上の持分権を主張出来ないことになります。(この意味は、退社する時最初の出資額しか払い戻しを受けられないのと、解散時も出資額の範囲でしか払い戻されず、他の残余財産は公的機関に譲渡しなければならないと言うことです)

 つまり、医療法人は出資限度法人が基本形ということになります。

(1)<新医療法人>

改正医療法が施行される19年4月1日以後は、出資限度法人しか設立できないことになります。

定款記載事項注意
・解散に関する規定
残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、国・地方公共団体または医療法人等の医療提供者で厚生労働省令で定めるものから選定されるようにしなければならない(44条4項新設)。

(2)<現医療法人>

既存の医療法人については、改正法案の経過措置により現行の医療法人制度が維持されます。 既存法人は、出資限度法人への移行を強制されるわけではありません。
(ただし、医療法人の本来の趣旨(公益性)から、今後出資額を超える持分を否定する方向に行くのではないかという意見があり、士業として受ける場合の安全策としてこの可能性は提示しておくべきだと考えます)

 条文上(暫定措置)も、当面そのままと言っているだけで、将来強制的に出資限度法人にしてしまう可能性を残しています。


(3)税制面の補足

 現行の医療法下では、出資額限度法人への移行時に課税関係は生じませんが、出資は出資持分の定めのある医療法人として評価され、社員の退社があった場合には残存社員にみなし贈与課税が生じます。

移行の時点で、出資額を超える含み資産の部分が法人に移転したとみて、取得した医療法人や出資者に何らかの課税が生じるのかどうか、議論の余地があります。

以上

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